Aurexのコンデンサー型ヘッドホン「HR-V7」が地味に凄かった!

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みずにゃん

東芝Aurexはかの昔、STAXと並んでコンデンサー型ヘッドホンに注力したメーカーの一つ。オーレックスのコンデンサー型はエレクトレットタイプで標準プラグでも使えるのがユニーク。そんなオーレックスの「HR-V7」が手に入りました。ケーブル交換修理をしてその音を聴いてみました!

東芝Aurexのコンデンサー型の系統

東芝オーレックスは、コンデンサー型ヘッドホンの分野で、STAXに次いで積極的な商品展開を行っていたメーカーでした。STAXが純コンデンサー型にこだわる中で、オーレックスはコストと取り回しの面で有利なエレクトレット型を採用しました。

コンデンサー型ヘッドホンは原理上トランス等の変圧部品が必要です。エレクトレット型の場合、外部AC電源を必要とせずトランスも大幅に小型化できることから、オーレックスではプラグ部やハウジングに内蔵させることで、別途外部アダプターを必要としない構造が実現でき、ダイナミック型ヘッドホンで採用されていた標準プラグを採用することができました。
その結果、ダイナミック型ヘッドホンと全く同じ使い方ができ、使い勝手の面でも大幅に向上しました。

オーレックスでは3世代にわたりコンデンサー型ヘッドホンが展開されました。第1世代ではバックエレクトレット方式が採用され、第2世代以降はそのバックエレクトレット方式を改良した、東芝独自のコンプリメンタリー方式に進化しています。

ただ、外部アダプターを使用しない方式は端子への負担が大きく、音質への影響が払拭できなかったらしく、一般的になることはありませんでした(オーレックスも最上位モデルは外部アダプターを使用していました)

ただ、競合他社がアダプター付のコンデンサー型ヘッドホンを展開する中で、取り回しを再重視したユニークな方式でヘッドホンを販売していたのは、東芝オーレックスらしい独自の視点・コンセプトだから出せた産物と言っても過言ではないと思います。

2千円で買ったHR-V7

もう1年くらい前の出来事ですが、某フリマアプリでオーレックスの「HR-V7」を衝動買いしてしまいました。

というのも、動作未確認のジャンクとはいえ2,000円とヤフオク相場よりも遥かに安かったのと、オーレックスのコンデンサー型という希少性、それにSTAXフィーバーが冷めやらぬ頃ということもあり、STAXとの音作りの違いが気になって買ってみたものです。

「HR-V7」は、オーレックスの第3世代のエレクトレット型の中級モデル。第2世代で採用されたコンプリメンタリー方式を採用しつつ、デザインの一新を図った最終世代です。ユニットは高効率を実現したハイセンシビリティユニットとなり、膜厚は4ミクロンとされました。トランスは本体のハウジング内部に内蔵されています。

ケーブルを交換する

北のほうからはるばる来たHR-V7ですが、残念ながらケーブルが片側断線していました

内部を分解して見てみるとケーブルの交換ができそうな構造だったため、ケーブル交換による修理を決めました。

今回、スマホやウォークマン等のステレオミニプラグのデバイスからも音が聴けるよう、パナソニックの耳掛けヘッドホンのコードをドナーとして用いることにしました。なにせ、パナの耳掛けは音悪いし、耳掛けはメガネとの相性悪いし、その上分解改造が容易でしたので。

左がトランス部だ。

作業内容としては、双方元のハンダを外してパナの耳掛けヘッドホンのコードをはんだ付けするだけ。言葉で言うにはこの一言なのですが、スペースの狭さとケーブルの端子の短い環境の中で空中はんだ付けをするのは、かなり根気がいる作業でした(笑)

HR-V7のハウジングは、イヤパッドの裏に隠れたプラスネジを外すと開く構造でメンテナンス性に優れています。

この作業のおかげで、スマホからでもちゃんと音が出ることが確認できました。

落ち着きのある爽快なサウンド

さて、今回は職場PCに接続してあるSACDレシーバーONKYO FR-UN7から音出しして、Apple MusicやYouTubeの音楽動画をいろいろと聞いてみました。

一聴して思ったのは、派手さのない爽快感が全面に出てきます。伸びの気持ちよさも相まってか、軽快に音を楽しめるのです。

精細感ではやはりSTAXの純コンデンサー型には及びませんが、濃厚さや透き通った伸びはコンデンサー型ならではのものであり、ダイナミック型ヘッドホンではまず出せません。

以前紹介したSTAXのエレクトレット型SR-44はややザラッとした不快感があり個人的には楽しくなかったのですが、このHR-V7はなめらかで美しい音色を奏でてくれています。

AurexではアンプはΛコンデンサーによる重厚でキレのある音傾向ですが、このコンデンサー型ヘッドホンでは、その真反対を行っているのです。だからといって音色が悪いというわけでもないのです。同じメーカーなのに音へのこだわりが違うのもなかなか不思議です。
そもそもΛ系になってから、同社のセパレートアンプにはヘッドホン端子がありません。ラックスマン等の他社アンプに接続する前提で、もしかすると柔和で絹のような滑らかさのあるラックストーンが崩れないようにチューニングをしているのかもしれません。

スマホやPCに挿してサラッと聞くのにも、もちろんちゃんと鑑賞としても楽しめるのが、このHR-V7、もとい、オーレックスのエレクトレット型ヘッドホンです。中古相場が非常に高いのもうなずけます。

もしコード断線でジャンクでも、トランスさえ生きていればケーブル交換で治る可能性大。メンテナンス性の高さも秀逸。他社では感じられないコンデンサー型の魅力を手軽に楽しめる銘機と行っても良いかもしれませんね(笑)

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました!

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